Half Moon 4 ■

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次の休みの日,俺は一大決心をしてミエットのアパルトメントを訪ねることにした。
あの日以来,駅で彼女と会うことはなかった。
満月の夜,彼女を送って帰ったので,場所は把握していた。
途中,俺は生まれて初めて宝石店に入り,小さな小さなエメラルドのついた銀の指輪を買った。
もちろん,彼女にプレゼントするためだ。
俺は手と足が同時に出そうなほど緊張して,彼女の部屋のドアの前に立った。
コンコンと軽く2回,ノックする。
・・・返事がない。
少し時間をおいてもう一度,今度は少し強めにノックする。
が,やはり返事がない。
もう一度,今度はドンドンとドアを叩くと,隣の部屋のドアが開いた。
ミエットよりもう少し年上の,肉付きのいい女性が顔だけ出して,めんどくさそうに言った。
「ミエットなら,おとつい引っ越したわよ」

 

俺は,再び元の退屈な日常に戻った。
いや,以前よりもっとなげやりな態度で,とりあえず与えられた仕事をこなした。
アパルトメントの隣人もそれほど彼女と親しかったわけではないらしく,
引越の理由などは不明のままだった。
やりきれない気持ちで過ごした3日目の夕方,
駅務室の俺のデスクの上に,一通の封筒が置かれていた。
封筒に差出人の名前はなかったが,直感で彼女だとわかった。
その日,勤務時間が終わると,俺は急いで職場をあとにした。
彼女とキスをした,あの公園に向かい,同じベンチに腰を下ろした。
手でびりびりと封を破り,手紙に目を落とす。
手紙はだいたいこんな内容だった。

 

- to be continued ! -

 

*** *** ***

- ambivalence - 

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